HONEY SOURCE

ゆらゆら、浮くまま

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完全なる君と彼

夏の日残像、その日僕らは旅に出た。らしい。伝聞系なのはそれは僕ではないからだ。いや、正確には「僕の抜け殻」が旅に出たのだ。ワインを瓶から直接口を付けて飲み、胸元を葡萄色に染め、そして口元を歪めて笑う。答えなんて無いさ。そうだろう?幸せは帰ってこない。一方通行、片道切符。折り返しは二十年後。最高に遊んだ後は細工した後の針金を壁に掛けようではないか。
ああ、やはり君はかわいいままだ。あぶそるーとりー。何があぶそるーとりーだ、馬鹿。東京弁が滑らかに紡がれるその唇を、人差し指で撫でるのが癖らしい。なるほど。考え事をしている印なのだ、と。ほう。それで?二十年間で培った常識というものはなかなか覆らないのだ。苦痛を知らない君は今日も「あぶそるーとりー」と言う。共に旅に出たはずなのに、それは僕の抜け殻だと、君は気付くのだろうか。あぶそるーとりー。気付かない。知らないふりなどではない。にーどれすとぅーせい。絶対に知らないだろうな。にやり。
雑誌を取りに部屋に戻ると針金が落ちる。がちゃり、がちゃ。頭の中ではじける音。ぱんっ。共鳴する。後、ドップラー効果。キンッと耳鳴りがして、目の前に橙。僕が君ならば、きっと空を飛ぶだろう。死にたくなるほどの夕焼け。世界の終わりを暗示するかのような。絶望の輪郭を表す、ような。橙に飛び込んで冬が終わる。

それではまた。

実のところ、夏は憂鬱を感じる季節だから好きではないのだ。冬は好き。なぜって、君が笑うから。けれど君の恋人、恋人?パートナーと言うべきか、その彼は冬は嫌いなんだと人づてに聞いた。嫌いだけれど、君が冬を好きだから、たったそれだけの理由で、冬を好きになろうとしているんだろう?微笑ましいな。まったく。これからも君と彼が、仲良くあることを祈るよ。未来の花嫁に誓って。
合い言葉は?声を揃えて、「「あぶそるーとりー」」。完璧だ。
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